
1968年(昭和43)、
タクトレコードから
ジャックス
「からっぽの世界」
が発売された。
作詞:早川義夫
作曲:早川義夫
こんにちは
健康オタクの あんこう です。
ジャックスの世界って?
早川義夫の世界って?
なんなんだろう?
【放送禁止歌】早川義夫のジャックス「からっぽの世界」
1968年、
この頃日本人のロックというものはなかった。
エレキギターのGSが絶頂期の時、
まったく異質のバンドが現れた。
デビュー曲は「からっぽの世界」
商業歌謡のGSとは違い
ジャックスはメッセージ性を持った
メッセージ・ロックという
日本語ロックを創りだしたのだ。
当時、フォークも
フォークル、高石ともや、岡林信康
等による
メッセージ・フォークが隆盛だった。
ロックも時代の流れに沿って
日本語の
メッセージ・ロックが生まれたのだ。
この頃の音楽雑誌
『新譜ジャーナル』で
早川義夫とジャックスを紹介して
いるが、それを載せておこう。
前衛フォークの旗手
早川義夫とジャックス
(中略)
日本のエレキ・グループでは
貴重な存在である。米英のニュー・ロックの
グループには、
音が前衛的であり
詞がプロテスト・ソング
であるものがけっこうあって
意欲さかんだが、
日本にはなかなか出てこない。そこに唯一といってよい
切れ味を見せているのが、
「からっぽの世界」で
おなじみのこのグループだ。延々と5分以上も演奏する
「ねこ」という曲を聞いた
中年以上の人は、義太夫か、
はたまたビワか西洋ナニワ節
かと目をまわしたという
エピソードがある。
(後略)新譜ジャーナル
1969年6月号より引用
小見出しが
”前衛フォークの旗手”
となっている。
当時、前衛ロックという
括りがなかったからだろうか。
日本人の日本語のロックバンドが
なかった時代だからね。
「ねこ」のサウンドについて
大人世代の受け入れがたさを
説明しているが
ビートルズの楽曲が
日本に入って来た時も
いわゆる大人世代は拒否反応を示していた。
万人向けではないが
ジャックスサウンドも
この状態にあったのだろう。
私は
「ねこ」は聞いたことがないが
「マリアンヌ」が
似たような演奏をしているのではないだろうか。
かなり前衛的な演奏をしている。
「からっぽの世界」発売時の
メンバーは
早川義夫(ギター、ボーカル)
谷野ひとし(ベース)
木田高介(ドラム、フルート、
ヴィヴラフォン)
水橋春夫(リードギター、ボーカル)
の4人だ。
実力者ぞろいである。
当時、聞いたジャックスの曲は
「からっぽの世界」「時計を止めて」
だったろうか。
「おどろおどろしい、
くらーい音楽」
といった印象だった。
聞いたのは
上記の2曲くらいだったので
「アングラフォークのバンドかな」
と思っていた。
新譜ジャーナルの記事のとおりである。
フォークともロックとも言える
ジャックス。
だが
メンバー構成を見ると
やはりロックバンドだ。
アングラ風の前衛的なサウンドは
マニアックだったと言える。
マニアックすぎて売れなかった。
結局、
1969年に解散をしてしまった。
しかし
後に
日本人の日本語のロックの始祖として
高く再評価された。
これだけ評価の高い
ジャックスの「からっぽの世界」が
なぜ放送禁止歌になったんだろう。
このブログで取り上げた放送禁止歌は
フォークル 「イムジン河」
岡林信康「くそくらえ節」
さだまさし グレープの「朝刊」
があるが
「からっぽの世界」は
歌詞の最初に出てくる
『しゃべることができない状態』
が差別用語に当たるという事だった。
深夜放送で何回か聞いただけで
プッツリ放送されなくなってしまった。
そんな記憶がある。
エピローグ 早川義夫の世界って?
ジャックスのイメージが余りにも
大きすぎる。
社会人になって
早川義夫のライブを観る機会があって
ライブハウスへ行ったことがある。
どんなステージを見せてくれるか
内心、期待とドキドキ。
会場の奥中央を少し高くして
ピアノを1台置いてある。
開演の時間になると
早川義夫が現れて
一礼すると
ピアノに座って歌い始めた。
昔は長髪だったが
すっきりと短髪にして
スーツを着ていた。
ジャックス時代ほど暗いイメージは
なかった。
終演まで1時間ほどだったろうか。
ピアノを演奏しながら
歌っていた。
その間
話しをしただろうか。
そう思って
思い出そうとしたが
思い出せなかった。
なにかそんな感想しか思いつかない。
不思議なライブだった。
これが早川義夫の世界なのか。
私の感性のなさなのか・・
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