高田渡「自衛隊に入ろう」は究極の逆説歌


こんにちは
健康オタクの あんこう です。

今回は、高田渡の「自衛隊に入ろう」です。

昭和44年(1969)発売
アルバム「高田渡/五つの赤い風船」に収録。

この歌で
自衛隊員がどれだけ増えるか確かめましょうよ。

「自衛隊に入ろう」で自衛隊が動いた

あれは高校生のときだった。

いつもの深夜放送ラジオから
自衛隊賛歌の曲が流れてきた。


みなさん方の中に
自衛隊に入りたい人はいませんか
ひとはたあげたい人はいませんか
自衛隊じゃ 人材もとめてます
自衛隊に入ろう 入ろう 入ろう
自衛隊に入れば この世は天国
男の中の男はみんな
自衛隊に入って 花と散る

作詞:高田渡

5番まであるこの高田渡の詞
一見(一聞)
自衛隊のPR曲なのかなと思わせる。

これだけ自衛隊自衛隊と連呼したら
そう思うかもしれない。

実際、旧防衛庁からオファーが
あったと高田渡本人が言っていた。

また、
この曲の歌詞を真に受けて
自衛隊に入隊した人がいたことがあったということだ。

だが、
自衛隊を風刺した逆説的な皮肉が
込められていることが分かると
発売翌年に放送禁止となってしまった。

このころ、
70年安保、三島由紀夫事件など
もあり自衛隊の中途半端な存在自体に
批判的な人が多かった。

旧防衛庁も
いいときにいい歌が出てきたと喜んだのだろう。

しかし、
歌詞をよく見れば分かるのではないか。

1番の歌詞だけでも

『ひとはたあげたい人はいませんか』

一旗揚げてもたかが知れている。

『自衛隊に入れば この世は天国』

天国のわけないでしょう。
まぁ、演習がなければ天国かな。
国家公務員だしね。


『男の中の男はみんな
 自衛隊に入って 花と散る』

軍隊じゃないんだから花と散られたら困る。

自衛隊賛歌としては矛盾だらけだ。

自衛隊のお偉いさんがこんなこと
やっているから
しばらく自衛隊員たちは肩身の狭い時代が続く。

その後、国民生活が豊かになり
考え方も右傾化していく。

そして
1991年からのPKO海外派遣など
により自衛隊の活動が評価されるようになってきた。

日陰ものの自衛隊が明るい光を受けるようになったのである。

しかし
自衛隊の海外活動はここまでの範囲としてもらいたい。

軍隊化などもってのほか
専守防衛に徹してほしい。

自衛隊員の家族のためにも。

「自衛隊に入ろう」をガンガン歌おう。ねぇ、渡さん!

この曲の歌詞を真に受けて
自衛隊に入隊した人がいたことを前にも述べたが

このことで高田渡は
自ら歌うことを封印してしまったという。

自衛隊批判の歌で
自衛隊員が増えてしまっては
歌う意味がなくなってしまうからですね。

しかし自衛隊評価が高まった昨今、
「自衛隊に入ろう」をガンガン歌って
防衛省からがっぽりコマーシャル料を頂いたらいかがでしょうか。

自衛隊員がどれだけ増えるか確かめてみましょうよ。

ねぇ、天国の高田渡さん!

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